Society #004

 歩道において歩行者となかば混在して自転車が通行するのは、元来はおかしな話です。
歩行者の安全が十分に確保されているとは言えません。
軽車両なのですから車道を通行すべきです。
 現状では以下の図に示された4種類の方法が実際に展開されています。

a. 自転車歩行者道

 日本全国に広く普及している道で、その総延長は8万kmにも及ぶそうです。

 これは元々交通事故削減のための苦肉の緊急措置だったらしいのですが、ママチャリの増加で車道通行が危険と言うことと、その自転車の駐輪場所の確保から歩道に線を引いて自転車優先エリアにしました。

 スーパーやコンビニ前の歩道側に置かれた多数のママチャリはこの成果です。
その結果、車道における自転車死傷事故は減少しましたが、逆に無謀な走行で歩行者に怪我を負わす自転車が急増しています。

b. 自転車道

 この自転車道は都市部ではあまり見られませんが、郊外や地方の広い道では画像のように整備された自転車専用の道路が伸びています。
ここでは完全に歩道や車道からエリア区分され、独立した空間を気持ちよく自転車走行ができます。

 都会ではなかなか無理でしょうが、自転車文化のあるべき姿としてこれがどしどし延伸してほしいものです。
欧州などは自転車文化が長く根付いていることもあり、このような道路が都市+郊外+地方に縦横無尽にネットワーク化されて羨ましい限りです。

c. 自転車専用通行帯

 三番目に示したものは自転車専用レーンですが、正式には「自転車専用通行帯」と言われるものです。
自転車の性格上、この方式が都市部ではより主流になるべきものだと思います。

 現在までに全国でおよそ3,000kmの総延長距離がありますが、(A)の8万キロと比べても雲泥の差になっています。
都内ではどうかと言うと距離数は不明ですが、137路線の道路で専用レーンが設けられているそうです。
実際の利用状況を注意して見てみると、繁華街での通行使用率は歩道側通行自転車のそれと比較しても決して高いようには見えません。

 都心の主要な道路には確かに自転車専用通行帯が色別表示されていますが、ところどころで路上駐車の車両で隠され、分断されています。
どこまでも快適で安全なゾーンが確保されているわけではありません。

d. ナビライン・ナビマーク

 四番目の「自転車ナビライン」と「自転車ナビマーク」は、自転車専用道路それ自体を意味していません。
したがって正確には他の3種の自転車道とは異なります。
これって驚きです。
専用道路だと思っていました。
無知の極致、思わず赤面です。

 でもよく見かけるものですよね。
ナビラインは青地の矢印で、車道左側地面に塗装されており、ナビマークは自転車に乗る人がシンボリックに白地で塗装されています。

 そこで車道をよく見ると前の図の(A) (B) (C)の画像のようにどの自転車道のタイプにも出てきます。
つまりこの(D)タイプは別タイプの自転車道ではなく、自転車が通行すべき部分及び進行すべき方向を明示するもの
なのです。
かつ自転車運転者及び自動車ドライバーに対し分かりやすく周知し、実効性を高めることを目的として設置しているものなんだそうです。

 新たな交通方法や罰則を定めた道路標示ではなく、自転車は車道の左側を走りなさいと言う指示表示です。
また逆走禁止で車道を行く一般車両と同じ向きで進めと言うことですね。

 自転車専用通行帯の表示簡易タイプと思っていました。
恐らく世間一般でも自転車専用通行帯と区別がつかないのでは、と危惧してしまいます。
これで自転車にまつわる事故が少しでも減少してくれれば幸いですが…。

 そもそも自転車が軽車両であり、確実に独立したエリアをその走行が保証されていなければ、対車両、対歩行者の事故は完全には無くなりません。
最大の障害は路上駐停車であり、また最大の問題はこれまでの道路行政の在り方ではないでしょうか。

《page.3に続く》

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