LIFE #005

 前回まで5Sの中味をお話しました。
5つのSとは、「整理⇒整頓⇒清潔⇒習慣⇒進取」でしたね。
「進取の後は?」
進取の後はまた整理 ⇒ 整頓 ⇒
⇒、と続きます。

 前回の5S図を思い出してください。

 4Sの「「整理⇒整頓⇒清潔⇒習慣」が円になっています。
4Sを日々の生活と仕事の中でくるくる回していくのです。
むろん強制ではありません。
百歳人生を楽しくこころ豊かに暮らすための大きな支えとなる思考&行動ルーティーンです。

 年々歳々、体が思うように動かなくなります。
何かやるにしても億劫な気持ちが沸き起こります。
「ま、いいか」とか「しかたない」と都合の良い言い訳をして、やるべきことを止めてしまいます。

 なにしろ前は向いていても思いは後ろ向きが多くなっていきます。
それらをそのままにしていると、ますます老けていきます。老いていきます。
生活でも仕事でも「心の張り」が何より大事です。
まさに「気」の問題です。

 その「気」を「やる気」に変身させるのが4Sサイクル+進取、すなわち5Sになります。

 皆さん、PDCAの名称はご存じですね。

 このような図をどこかで見かけたことでしょう。
仕事でいつもお使いになっていた方もきっと多いでしょう。
今さらかもしれませんが、このPDCAについて簡単に説明をしておきます。

 PDCA(Plan-Do-Check-Act)は、持続的な改善を促進するためのサイクルであり、品質管理やプロセス改善などの様々な領域で広く使用されているものです。
それぞれのステップは以下の通りです。

  1. Plan(計画): 問題や目標を特定し、それらの改善を含めた計画を立てます。
    計画の詳細程度は扱う課題や時期によってさまざまです。
  2. Do(実施): 計画した内容を実際に実行します。
    この段階では、計画された行動やプロセスを実際に稼働し、そこから逐次データや情報を収集します。
  3. Check(評価): 実施した活動やプロセスの結果を評価し、目標の達成度や問題の解決状況を確認します。
    収集したデータの整理と内容の分析が行われます。
  4. Act(行動): 結果をさらに解析し、次に必要な修正や改善を行います。
    問題点があればその原因を究明し、再発防止策を検討し、その対策を施します。
    また現在のプロセスを改善するために次なる行動計画へ引き継ぎます。

 PDCAサイクルは連続的なプロセスであり、継続的な改善を目指しています。
図では二次元の平面的活動として表現されていますが、「スパイラル・アップ」として三次元的にこの輪が上昇していくイメージとなります。

組織やプロジェクトに適用することで、業務効率性や品質向上を目的に使われますが、ただ常に大きな活動や行動にのみ用いる手法ではありません。
日常的な思考や活動でも何気なく使われているものなのですから、人生そのものにも応用できるサイクルでもあります。

 ところでその歴史についても簡単に触れておきましょう。
PDCAは、米国人エドワーズ・デミング氏(W. Edwards Deming)によって提唱されました。
デミング氏は、品質管理の分野でさまざまな革新的アプローチを提案し、日本の産業界に大きな影響を与えました。
 1940年代から1950年代にかけて、デミング氏は日本企業に品質管理の考え方を教え、その中でPDCAの概念を日本の産業界に紹介しました。

 特に、戦後の日本が復興期に入った頃、デミング氏のアイデアは日本の製造業界で大きな成功を収めました。
一説にはサイクルの形にしたのは日本人技術者と言われていますが、いずれにせよこのPDCAサイクルを通じて品質の向上やプロセスの効率化が実現され、日本の製品が国際市場で競争力を持つ基盤となりました。

 その後、PDCAは世界中の組織で採用され、品質管理やプロセス改善の手法として広く認知され、また国際マネジメントシステム規格であるISO 9001の中核構成要素となりました。

 法則や法律、原理や仕組みなど身の回りのことでそれらを意識する、しないでは結構人生の色彩が変わってくることを経験したことはありませんか?

 人生におけるPDCAは、個人が自己成長や目標達成に向けて持続的な改善を促進するためのフレームワークです。

 以下は、人生のPDCAの適用例です。

  1. Plan(計画): 人生の目標や価値観を設定し、将来のビジョンを明確にすることができます。
    自己評価を行い、改善が必要な領域を特定します。
    さらにそれらの改善領域を含めた目標を達成するための具体的な計画を立てます。
  2. Do(実施): 計画された行動を実際に実行していきます。
    そこでは新しいスキルや知識を習得し、経験を積みながら目標に向かって進みます。
    この「経験」こそが大事な宝になります。
  3. Check(評価): 実施した行動や取り組み結果を客観的に評価し、目標に対する進捗状況を確認します。
    ここでは目標とした結果の達成度の抽出が重要です。
    いろいろな評価基準をどれほど日頃から持つようにしているか。

    独りよがりや我田引水の評価にならないようにします。
  4. Act(行動): 出てきた結果を分析し、必要な修正や改善を行います。
    客観的な「振り返り」から失敗や課題から学ぶことがポイントになります。
    さらにこれまでの行動計画を修正して次の試みに活かします。
    また、新たな目標を設定し、次なる計画に結びつけ、PDCAサイクルを継続して繰り返します。

 このように人生のPDCAを通じて、個人は自己成長や目標達成に向けて継続的に努力し、自己実現を図ることができます。

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