Life #004

 前回は5Sの説明とその中の「整理」についてお話をしました。
5SSとは「整理」「整頓」「清潔」「習慣」、そして「進取」を指します。
どの単語もSで始まっているので、それを集めて5Sです。

 前回、下に示す図がありました。覚えていますか。

 その一番初めの「1S 整理」とは、必要なものと不要なものを区分し、不要、不急なものを取り除くことでした。
またその最初の活動には、『振り返り』、『大きな整理の一覧表』、『取捨選択』、そして『作業』の実行がありました。

 これは百歳活動に取り掛かる際の初めの大きな整理で、それとは別に毎日の生活と仕事では小さな整理がたくさん出てきます。
この小さな整理をなおざりにすると人生そのものが不要なものになりかねません。
気をつけましょう。

 整頓とは、整理完了後、必要なものを決められた場所に、決められた量だけ、いつでも使える状態で容易に取り出せるようにしておくことです。

 不断の生活や仕事の現場では頻繁に行う作業ですね。
机の上や引き出しの中のモノを整理し、必要なものだけを整頓してきちっと収納することや、溜まりに溜まった書類の山を整理し、大事な書類などを分かりやすく分類しファイリングするでしょう。

 百歳活動での「整頓」とは、整理の項で述べたようにこれからやるべきコト&やってみたいコトに対する具体的なアプローチです。
既に皆さんは大まかな「百歳人生行程表」みたいなリストを作りましたか?
そこに列挙されたものは、やるべきコト&やってみたいコトとして篩に掛けられて選抜された(ここが整理)結果です。
優先順位も付けてありますね。

 モノであれば、それで十分ですが、これからやるコトですからいろいろと準備をしなくてはなりません。
具体的にそのやるべきコトをどう進めるのかを考え、必要なモノゴトを整える作業があります。
いわゆる「段取り」と言うものですね。

 俗に「段取り八分」と職人の世界では言われますが、何かを創るにはその準備を周到、かつ綿密にすれば、あとは2割の力で済むと言うたとえです。
むろん百歳活動で、そう真剣に何事にも根を詰めていては気が滅入ってしまい、かえって途中で息切れしてしまうことになりかねません。

 原則、遊び心で楽しみながらも多少の負荷がある感じで行います。
脳と心の軽トレーニングと考えてください。

 準備・段取りはそれぞれの方の状況に応じて適宜にやりましょう。

 ここで言う清潔とは、お風呂に入るとかゴミはきちっと捨てるとか洗濯はまめに、と言った日常生活レベルのお話ではありません。
それらももちろん大事なことで、根底にはありますが、心のありようにフォーカスした内容です。

 百歳まで生きようと考え、それを実行していく場合に必要なこととは、楽しみながらも一途にやり遂げようと努力する純粋な気持ちです。
たとえ満足すべきゴールにたどり着かなくても、あれもこれもと無分別に食い散らかさすようなことはやめましょう。

 不純な動機で変な欲を出さぬことです。それが心の清潔さの一つです。
さまざまなアイデアはOKです。

またそれらの結果がお金になるのであればハッピーですね。
しかし我欲にまみれないことです。

 仮にその我欲のままに百まで生きてもあの世に持っていけるモノ・コト一つもはありません。
逆に上手く行かないことで心を濁らせてはなりません。
それが「清潔」の「清さ」になります。

 反面、これ以上続けるのが無理だと思ったら、スパッと止めることも大事です。
百歳活動では若い時のような仕事のノルマ達成が目的ではないからです。

 世の中には「見切り千両」と言う言葉があります。
これは株式相場で含み損を抱えてしまい、これ以上損失にならない段階で見切りを付けて止めることを「千両の価値」があると言い表した格言です。

 なかなか見切ることが難しいのが人間の性(サガ)で、心理学領域では『損失回避バイアス』と称する認知バイアスの一種です。
株だけではなく、事業投資やギャンブルで損に追い打ちを掛ける心理です。

 スパッと止めて他の行動や目標に乗り換えることが「清潔」の文字にある『潔さ』になります。
失敗とまでは行かなくとも、性に合わないとかいろいろな理由で頓挫することもあるでしょう。
でも負けたような気持ち、敗北感は確かに気分の良いものではありませんが、その経験から得られる教訓はその後の大きな財産となります。

 成功体験だけが人の成長を促すものではありません。
失敗体験も場合により非常に大事な成長促進剤です。
そこには必ず何か得るものがあるはずです。それが次の百歳活動の糧として活きてきます。

 清潔が心に馴染めば馴染むほど、生活がスリムになります。
そして住環境や生き方そのものがシンプルになっていきます。

 部屋を見渡してください。
整理整頓の甲斐あって、徐々に無駄なものが消え、大きく自由に呼吸ができる静謐な空間が広がっていることに達成感と安心感を感じませんか。

 皆さんはどのような習慣をお持ちでしょうか?
乳幼児の頃、親や周囲の人たちから躾けられた礼儀作法やマナーもルーティーン化して習慣となり、また学校や実社会で学んだルールや自分の努力で得たものなどのさまざまな習慣が今でも身についているでしょう。

 その行動は、個人の生活パターンなどに根付いており、しばしば無意識的、かつ自動的に行われて、日常生活や人生そのものにおいて重要な役割を果たしています。

 また習慣自体が個人の生活や行動を形成し、効率的な生活を促進することができる一方で、時には不健康な習慣に陥ることもあります。
そのため、意識的に習慣を変えたり改善したりすることは、自己成長や健康的な生活を実現する上で重要
です。

 百歳活動を始めるための準備段階として、これまで「整理」「整頓」「清潔」と三つの思考+行動を行ってきましたが、これらは単に一過性で終わらせてはならないイベント群です。

 後々述べますが、具体的な百歳活動では大小取り交ぜた「整理・整頓」があり、「清潔」を保ち続ける「習慣」が求められます。
多くの方はこれまでの人生でそのようなことを組織
家庭の中でごく自然にこなしてきているでしょうが、これからは自分一人でどこまでもやり抜かなく覚悟が必要です。

 それゆえに良い習慣を早く身につけ、悪い習慣はこの機会速やかにかなぐり捨てましょう。
一般的に目的や目標に基づいて計画的に行われる一連の行動を「ルーティーン」と称しますが、これが反復行動の習慣として無意識に行われるようになれば、負荷に感じる気持ちも一転して楽しくなるでしょう。

 さらに習慣も美意識に目覚めると「儀式=セレモニー」に昇華していきます。
周りの人に押し付けず自分で楽しめば、それは素晴らしい百歳人生になっていくはずです。

《ページ2へ》

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です