整頓で人生を並べ替える

段取り八分の美学とは? 百歳人生航路 #003
「段取り八分、仕事二分」──このフレーズ、職人の世界では常識。
でも、人生ではどうだろう? やりたいことはある。
でも、やり方がわからない。
それは、“整頓”が足りていない証拠かもしれません。
目 次
1. 世相の風:情報過多社会の“散らかった人生”
現代人は、情報の洪水の中で暮らしています。
スマホを開けば、ニュース、SNS、広告、動画
──あらゆる刺激が押し寄せます。
でも、情報が多いほど、思考は散らかってしまいませんか。
- やりたいことが多すぎて、何から始めればいいかわからない
- 予定が詰まりすぎて、何も進まない
- 頭の中がごちゃごちゃして、疲れるだけ
これは、人生の“整頓”ができていない状態と言えます。
つまり、必要なものが、必要な場所に、必要な順序で並んでいない、と言うことですね。
2.5S航法の第二弾:“整頓”とは「配置と順序の智恵」
産業界での整頓とは、必要なものを使いやすく配置することでした。
でも、人生に応用するなら、もっと広い意味があることに気づくべきです。
それは──
- やるべきことを、やりやすい順に並べる
- 頭の中のアイデアを、見える形に整理する
- 生活の流れを、スムーズに設計する
つまり、整頓とは「段取りの美学」であり、「人生の設計図のレイアウト」なんですね。

まずは、前回の「整理」で選び出した「やりたいことリスト」を見直してみましょう。
そこに書かれている項目を、次のように並べ替えてみます:
- 今すぐできること(準備不要)
- 少し準備が必要なこと(道具・時間・場所)
- 長期的に取り組むこと(習慣化・学習・挑戦)
この分類をするだけで、頭の中がスッキリし、さらにはそれぞれの項目に「必要な準備」を書き添えると、一層これからの取るべき段取りが見えてくるはずです。
3. 段取り八分──人生にも応用できる職人気質
「段取り八分、仕事二分」という言葉があることは本ブログ冒頭で述べた通りです。
これは、準備をしっかりすれば、実行はスムーズに進むという意味。
でも、現代人はこの“八分”をすっ飛ばして、いきなり“二分”に突入していきます。
その結果は以下のような惨憺たる様相:
- 思いつきで始めて、途中で挫折
- 道具が足りずに、やる気が失せる
- 時間配分を誤って、疲弊する
これでは、人生のプロジェクトが未完の山になるのは必定。
だからこそ、整頓には、ある程度の周到な段取りが必要なのです。
換言すれば、整頓とは、頭の中の混沌を、外に出して並べる作業から始まるとも言えます。
つまり、思考の可視化そのものが具体的な行動を導いていくのです。
- メモを書く -図を描く
- スケジュールを組む
- 優先順位をつける
これらはすべて、整頓を進める技術であり、可視化されたその思考は、行動に変わる力を持つのです。
まず初めに予定の整頓には、先々の達成感が見えてきます。
整頓された物的空間には、静謐な精神的安心感が生まれるでしょう。
そして、整頓された人生には、その意味と方向性が見えてくるはずです。
- 朝のルーティンが整うと、一日がスムーズになる
- 週の予定が見えると、心に余裕が生まれる
- やることリストが整理されると、達成感が積み重なっていく
このように整頓とは、人生の流れを整える知恵なのです。
まとめ:「整頓」は“未来の設計”でもある
整頓は、過去の整理ではなく、未来の準備と考えを切り替えましょう。
それは、やりたいことを「できること」に変えるための設計作業になるからです。
- 何を、いつから、いつまで、どこで、どのように、やるか?
- どんな順序で、どんな道具や方法を使うか?
- どんな気分、気持ちで、どんな環境、場所で取り組むか?
これらを整えることで、未来は“可能性”から確実に“実現”へと変わります。
トライしてみましょう。
💡 今日のヒント:「あなたの“やること棚”、整えてみませんか?」
➀ やりたいことを「今すぐ」・「準備必要」・「長期」に分類する
❷ それぞれに必要な段取りを書き出す
③ 浮かぶアイデアを、メモランダムに紙に書き落とし眺めて見る
🔭 “百歳人生航路”の予告:第4回 「清潔とは心の浄さを言う」
お風呂に入るだけが“清潔”ではありません。
人生の“清潔”は、心の濁りを洗い流すこと。
あなたの“心の洗濯”、始めてみませんか?
了
By 百瀬 代次郎
※本ブログ記事は、2024年4月に掲載した記事ですが、今回のブログ全面改装で内容・表現など再編集したものとなっています。