LIFE #008
目 次
2.十箇条:その五 「やりたい こうありたい そうなりたい」
人生百年時代において必要なモノゴトを十箇条にしたためたその「第五条」では「やりたい」「こうありたい」「そうなりたい」をテーマに、これまでの人生で諦めてきた夢や目標に再挑戦することの意義を考えてみましょう。
引退や自由な時間を得た今こそ、あるいはこれからそのような境地に至る方も含めて、あなたがこれまで叶えられなかった願いを実現する絶好のチャンスがやってきます。
そのための心構えや具体的な取り組みについて探っていきましょう。
2-1. やりたいことに挑戦する
人生の後半には、時間という貴重な資源が手に入ります。
これまでの生活では仕事や家庭の都合で諦めてきたことも、今なら始められるかもしれません。
やりたいことに挑戦することで、充実感と生きがいが得られます。
本ブログの『百まで何をする?! 3日目』に5Sで「進取」を取り上げていたのを覚えていらっしゃいますか?
その「進取」の行動がこの項につながります。
長年の興味があったけれど手をつけられなかった分野に挑戦しましょう。
それが未経験の分野に飛び込むことであっても、躊躇することはありません。
具体的に見つからない場合やいろいろあり過ぎて迷っているのなら、「やりたい」リストを作成してみることです。
白紙に書き出してそれをよ~く見直してみると新たな発見もあるはずです。
自分がやりたかったこと、途中で止めてしまい後悔が残ること、人がやっていて羨ましいと思ったこと、何でも思いつくままにいろいろ書き出してみましょう。
想いや願いを言葉にし、文字化すると、自分自身の知られざる意外な面をそこに見つけることもできます。
その中からこれからの自分を支えてくれる何かが生まれてくるかもしれません。
やりたいことに取り組むと、過去への後悔が少しずつ減っていきます。
今からの、そしてここからの「現在」を存分に楽しむ心の余裕が生まれれば、きっとこれからの「未来」は明るいものになるに違いありません。
実際にやってみて以前と同じに失敗か挫折があるかもしれません。
でもそれを失敗と考えないことが肝心です。
「失敗」ではなく、試行錯誤の一つであり、そこで止めることは「挫折」ではなく、他への転身の好機と考えるべきです。
現役時代の仕事をしているわけではありません。
人生を大いに楽しむための道を探しているのです。
これまた私事で恐縮ですが、どの楽器も生涯でモノにしたことが無かった私は凝りもせず、子どもの頃から憧れていたクラリネットに挑戦しました。
周囲はその音色、いや雑音に大迷惑だったに違いありませんが、お構いなしに続けました。
それから苦節六年、楽器のお蔭で音色の良さは褒められましたが、結局は見事なまでの挫折を迎えました。
それでも一度は楽器を奏でられ、経験できたことが自分にはささやかな誇りと喜びになっています。
それだけではありません。
恥ずかしながら楽譜が読めるようなりました。
世界の有名なクラリネット奏者をより深く知ることもできました。
「一事が万事」と言う古い言葉がありますが、何かをすれば何かを学び、知ることができるのです。
2-2. こうありたいと言う自分を探し、それを目指す
人生のどの段階でも、「自分はどうありたいか」という理想像を持つことは大切です。
それは自身の外見や健康、心のあり方など、さまざまな側面に対して考えることが可能です。
誰しもが少なくとも「こうありたい」と願う何らかのイメージがあるはずです。
華美なものや虚飾にまみれたものではなく、素直かつ正直で質実な生き方を実践する姿でしょうか。
そうありたいためには次のような日々の暮らしぶりが大切です。
● 健康を意識したライフスタイル:たくましく、あるいは美しく長生きするためには、身体を労わることが不可欠です。
適度な運動やバランスの取れた食事、十分な睡眠を心がけることで、理想的な健康状態を維持することが大切です。
● 心の成長を目指す: 感謝の気持ちや穏やかな心を育むことで、ストレスを軽減し、幸せを感じやすくなります。
瞑想やヨガをお金を掛けることなく取り入れることで、精神的な充実感が得られます。
どこでもいつでも好きなところに座して目を閉じ、呼吸を整え、余計なことを考えず、さらに自分を包む世界の音や気配を感じれば、それが黙想であり、瞑想になります。
大事なことはそのような心静かな時間と空間を持つことであり、それを習慣化することなのです。
● 外見のケアを忘れない: 年齢を重ねても、身だしなみに気を配ることで自信が生まれます。
華美な若づくりや高価なオシャレをすることではなく、身ぎれいにすることです。
その季節にふさわしいファッション、清潔な肌着、パリッとした着こなしも大切。
しわやシミ、白髪、ハゲは仕方ありません。
それらをストレスに感じること自体、ムダな精神の消耗です。
清潔感を大切にし、姿勢や笑顔を意識し、小ざっぱりした明るいジジイやババアになりましょう。
ささやかな気持ちの転換ですが、「こうありたい」という目標を持つことで、日々の行動がこれまで以上により深い意味を持ち、大きな充実感を得ることができるのではないでしょうか。
2-3. そうなりたい未来を描く
前述の「こうありたい」はどちらかと言えば、現在が起点の活動軸ですが、「そうなりたい」は未来からのバックキャスト思考と言えます。
明確な「そうなりたい」未来像を描くことは、今の人生をより前向きにする原動力となります。
希望を持つことで、目の前の課題にも前向きに取り組めるようになります。
でもせっかく大いなる未来の姿を描くならば、ビジネスシーンでも使われるさまざまな道具を使うことです。
たとえば目標管理として、「短期目標と長期目標の設定」。
「見える化」「視覚化」として「ビジョンボードの作成」。
そして本ブログでも説いている「5S+PDCA」。
これらの道具などを使って未来を描くことは、現在を前向きに生きるための道しるべになります。
小さな一歩を積み重ねて理想の自分に近づいていこうではありませんか。
まとめ
「お金より頭を使う、体を使う、気を遣う」という考え方は、人生の後半を充実させるための大切な心得です。
頭を使うことで新しい刺激を得て、体を使うことで健康を保ち、気を遣うことで人間関係を豊かにする。
この三つを日々の暮らしの中で実践することで、人生の残り時間をより有意義に活用できます。
否、残り時間と言う考えを捨てましょう。
人生を作っていきましょう。
心理学の世界では「過去と他人は変えられない。しかし、自分と未来は変えられる」と言う名言があります。
毎日を想像と創造で過ごし、未来を豊かに変えていきましょう。
自分を上手に使うことは、人生を彩り豊かにする秘訣です。
また「やりたい」「こうありたい」「そうなりたい」という考え方は、年齢に関係なく、人生を彩る大切な心得です。
過去に諦めた夢や願いに再挑戦し、自分自身を大切にしながら未来を描くことで、日々がより豊かで充実したものになります。
時間を自由に使える今だからこそ、あるいはこれからだからこそ、自分の可能性を信じ、行動を起こしてみてください。
長い人生を幸せに、そして満足感を持って生きるために、これらの心得を日常に取り入れてみましょう。
次回「Life #9」は「百歳人生心得帳 第三帖」です。
了
By 百瀬 代次郎