FREE #001 季節の風物詩

3回目のHPリニューアルです。これまでのものとは異なり、「その日のつぶやき」を記事にまとめ「時游神(じゆうじん)」らしく『FREE』と言うカテゴリーを設けました。

その記念すべきFREE第1回目は「季節の風物詩」として、『お酉様(おとりさま)』を載せました。

お酉様(おとりさま)は日本の伝統的な全国規模の祭りや風習の一つで、主に商売繁盛や開運を祈願するために行われる行事です。
特に東京浅草の鷲(おおとり)神社や新宿花園神社が有名で、他には目黒大鳥神社などをはじめ、全国各地の神社で盛大に催されています

お祭りの由来は、鷲(おおとり)神社や大鳥大明神を祀る神社で行われる「酉(とり)の市」に由来します。
これら有名な神社は、日本神話における英雄・日本武尊(ヤマトタケルノミコト)に関わっており、商売繁盛や無病息災を祈願する場として信仰されてきました。
このお酉様は、毎年11月の「酉の日」に催されます。

「酉の日」とは、干支(十二支)の中で「酉」が巡ってくる日で、年によって1回、2回、あるいは3回あります。
1回目を「一の酉」、2回目を「二の酉」、3回目を「三の酉」と呼び、今年はその最後の三の酉が11月29日となっています。
ところでこの「三の酉」まである年は火事が多いと言い伝えられ、防災意識向上にも役立っています。

お酉様では「熊手」を祭りの象徴的なアイテムとします。
竹で作られた熊手に、米俵や小判、打ち出の小槌、鶴亀などの縁起物が飾られており、商売繁盛や福をかき集める象徴とされています。
 

神社境内に立ち並ぶ熊手専門露店でその熊手を購入するときには、「よっしゃ、よっしゃ」という掛け声で景気を盛り上げるのが特徴です。
また熊手を購入する際、前年よりも一回り大きなものを選んでいくのが粋とされます。
これには「福を次第に大きくする」という意味が込められているからです。
また、熊手を買う際には、神社でお祓いを受け、家や店舗の福を祈願します。

 画像の熊手は、麻布十番にある「十番稲荷神社」の社務所でいただいたものです。
一つ千円で、当家では毎年キッチンに飾らせてもらっています。


今や麻布十番界隈は六本木ヒルズと隣接し、一年中賑わう街になりました。
その
地下を走る地下鉄大江戸線の麻布十番駅7番出口のかたわらにあるのが、この十番稲荷神社です。

急な石段を上ると社殿が目の前。
決して大きく荘厳な趣が無い代わりに、身近な可愛い社殿でもあります。

社殿の右手には昨年いただいた熊手をお納めする場(有料)があり、そこに持参した古い熊手を納めてから拝殿(社殿)に向かって鈴を鳴らし、お参りを済ませ、次はそのまま左手の社務所に向かいます。
数歩で行けるその社務所で、今年の新しい熊手を求めます。

上の画像は石段下の小さなお宮があり、そのまた左に下図のような熊手専門の粋な露店があります。

実は酉の市の見どころと言えば、この熊手屋さんなんです。
ここ麻布十番では一軒しかありませんが、浅草の鷲神社界隈では飲食も含めてなんと500軒の露店・屋台が並びます。

そこでは縁起物の熊手が豪華絢爛に飾られ、百万円、数十万円のものが
会社や商店の経営者さんなどにどしどし売られていきます。
その売れ行きがその年、また次の年の景気を読み取る庶民の指標にもなるのです。

十番稲荷神社はその点では見た目の豪壮さはありませんが、庶民のささやかな幸せをもたらす地元のお祭りとして愛されています。
夕刻5時過ぎには道路の向こう側で麻布商店街の有志の面々が縁日を催して、この酉の市を盛り立ててくれます。

このお酉様がやってきてお江戸では冬が到来するという実感を持つのです。
数日後には師走の12月。
熊手で「かっこめかっこめ!」と福をかき集め、そしてかまど(=キッチン)の火の用心に心を配り、年の瀬を迎えます。

了                              
皆途 柴三郎

FREE #001 季節の風物詩” に対して2件のコメントがあります。

  1. 鳥貴族 より:

    良いですね、酉の市。懐かしいです。私は浅草大鳥神社に子供の頃から親に連れられて行った記憶があります。

    1. 編集長 より:

      コメント有難うございます。子供の頃の思い出は心の宝物ですね。これからもよろしくお願いいたします。

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