Life #001
百歳はもはや現実の世界
人生百年と言われて久しいと思いませんか。
確かに我が国日本は世界に冠たる長寿国でもあります。
また戦後のベビーブームの結果、団塊世代と呼ばれる年代層が既に七十歳台となり、意気軒高と共にこれからも元気に長生きしそうです。
寿命の長短は選べません。
もちろん自殺・自死は論外です。
命尽きるまで生きるしかありません。
あなたは百歳まで生きたいと思いますか?
筆者は生きてみたいとおもっています。
だって1世紀分ですよ。その歴史が見られるのは心が浮き立ちますね。ただし……。
ただし、体が健康で頭が正常、と言う条件ならば、です。
誰も将来、健康でいられるか、病を得ているか、五体満足か否か、は分りません。
にも関わらずこれからも生きるしかないのが現実です。
ここで少し気持ちが落ち込むデータがあります。
アクサ生命のHPに「人生100年の歩き方」と言うコーナーの中で「人生100年時代のリアル」と題するものがあります。
およそ6年前の記事ですが、老若男女1,000名からのアンケート結果です。
コロナ前の内容ですが、百歳まで生きたいと考える人は下図のようにたったの21.2%であったそうです。
さらにその人生100年時代をポジティブに捉えている比率は全体で50.7%ですが、60歳以上では48.7%になっています。
これはある意味うなづける結果とも言えますが、もう少し生きる意欲があっても良いかな、とも思います。
またネガティブにならざるを得ない理由としてのリスクには、主に心身(身体能力・判断能力・罹病)の機能低下と収入(賃金・年金)の減少及び働けなくなることが挙げられています。
このアンケートで70歳代以上の方々については何も触れていませんが、高齢になればなるほどネガティブ率が大きく占めることは容易に想像できます。
反面、上記のリスクに対する「備え」があれば、100歳まで生きたい意欲が旺盛になることが他のデータで示されています。
「備え」の大半は収入面でしょうが、健康への備えも大事でしょう。
貴重なデータではありますが、これをもう少し掘り起こしてみましょう。
いろいろなリスクがあるからポジティブになれない、と結果は出ていますが、もしそれが正しいならば百歳まで生きること自体に無理があります。
リスクはいつでも私たちに付きまといます。
あらゆる備えをしても違うリスクが沸き起こります。
大きな天災に突然襲われてしまえば、下手すれば全ての備えは胡散霧消します。
「百歳まで生きること」が目的であってはなりません。
百歳まで生きれる時代の中でどう生き抜くのか、が大事です。
そう考えればネガティブではいられません。
大いなる悩みがあるか、煩いごとに日々追われているか、それらの程度はいろいろでしょうが、生き続けるしかありません、それもポジティブな気持ちで、です。
いずれにせよ全く何も問題のない人や問題を一切抱えない人生はあり得ません。
ならば楽しく百歳を目指して今を大事に生きるほうが得だと思いませんか。
楽しく生きれる方法、楽しく生きていける心持ち、楽しく生き抜くパワー、これらを多く持っているほうが良いに決まっています。
他人さまや家族に迷惑を掛けず、そして感謝して日々を送りながら寿命を全うする。
これって結構かっこいい生き方だと思います。
とは言え、確かに世の中から名声と栄誉を授かり、経済的にも物質的にも豊かな暮らしに包まれているほうが良いに決まってます。
なにしろ一生懸命に努力して生きてきたご褒美ですからね。
ご褒美に包まれ、何の不自由もないはずですが、それなのに不幸な人生を歩まれている方々も結構おられます。
現在、いかなる状況下で生きているかは別として、これからの人生を豊かに過ごす算段をすることは決して無駄とはなりません。
しかし、百歳まで生きる確証は誰にもありません。
仮に生きたとしてもずーっと健康を維持できるとも限りません。
むしろ志半ばにして明日落命するやも知れないのが、人の寿命、天命と言うものです。
であれば、なおさらのこと、不定の有限性の中でやり残すことや思い残すことが多いのはあまりにも無念と言えるでしょう。
道に逸れたことや欲望に任せた夢や望みは対象外として、いつか来る「死」を前提に、最後はどのような心根で旅立つかを考えましょう。
百歳はハードルではなく、別の宇宙みたいなものです。
「あと何年」と言うより、百歳と言う途方もない宇宙に徐々に向かっているのであれば、別に不安なくゆったりと楽な気持ちでそこに至るまでの人生設計と穏やかな行動ができるような気がします。
本記事では、おおむね60歳を超えて日々健闘している方々に向けて人生へのエールときっかけをお送りするものです。
もちろん70代、80代、そして90代の方々も宇宙旅行の仲間です。
筆者自身は男子なのでそれに話題が偏るきらいがあるかもしれませんが、性別を超えてお話を展開したいと思います。
それゆえ時には脱線し暴走する恐れもあるでしょうが、寛大なお心でお許しください。
心身が健康なうちに新たな地平を切り拓き、百歳と言う宇宙に共に歩みを進めて行きましょう。
By 百瀬 代次郎