交通行政の貧しさ 自転車レーンは謎だらけ

皆が命懸け? さすらいの自転車道 社会科見学会 #004
今回の社会科見学会は、街に出て自転車レーンを巡りながら道路行政の危うげな実態を観察し、また是正のための提言を考えてみました。
目 次
1. おっと危ない!
猛暑の続く日の午後、社会科見学会の面々は、とある街の片側二車線の交差点で青信号を待っていました。
視線を車道の端に向けると、鮮やかなブルーの自転車専用レーンが延々と続いています。
しかし、誰もそこを走っていません。
貨物トラックや乗用車が路上駐車で堂々とそのレーンを塞ぎ、押し出された自転車は車道中央で後続車のクラクションを浴びせられています。
歩道では幼児を載せたママチャリが猛スピードで駆け抜け、「邪魔よ!」と睨みます。

いったい歩道は誰のものか、自転車はどこを走るべきか、行政は何を考えているのか。
見学会はのっけから疑問噴出です。

2. 自転車は車両だ!
現行の道路交通法では、自転車は軽車両として規定され、原則車道を走るべき存在です。
歩道走行は例外で徐行と一時停止が義務。
しかし現実は、歩道を猛スピードで駆け抜けるママチャリや、歩行者に突っ込む自転車が後を絶ちません。
標識を正しく理解している人は少なく、その運用も曖昧としか云えません。

ところで、日本の自転車道が大きく4タイプに分かれることをご存じですか?
現状では以下の図に示された方法が実際に展開されています。

(1)自転車歩行者道(約8万km):歩道に線引き、自転車優先。歩行者との衝突事故は増加。
(2)自転車道(歩道・車道から完全分離):地方には存在するが都市部ではほぼ皆無
(3)自転車専用通行帯(約3,000km):都内137路線に設置、路上駐車で分断され、実効性は低い
(4)ナビライン・ナビマーク:通行方向を示すだけで、専用レーンと誰しも誤解!?

3. この根本的な問題は何か?
歩行者、車、自転車利用者の誰もが事故の加害者・被害者になり得ます。
歩行者は「歩道は歩行者のもの」と訴え、車は「自転車は危険」と憂い、自転車利用者も「路上駐車が危険」「歩道の方が安全」と混乱します。
この三者の対立は都市交通の混迷ぶりと道路行政の現実無視を象徴していませんか。
根本的な問題は複合的かつ複雑多岐です。
4. 提言:今こそ交通革命を
そこで社会科見学会からの提言を打ち出しました。
提言(1) 自転車は車道走行:専用レーンの全国整備と歩道からの排除。歩行者の安全確保。
提言(2) 路上駐車全面禁止:荷下ろしや休憩も含め厳罰化し、左端を自転車の生命線とする
提言(3) 業務車両の待機広場大幅拡張整備:運送業務と自転車保護を両立させる
提言(4) 都心の自家用車保有禁止:個人所有は原則許可制、高額課税、流入交通量の抑制
提言(5) 首都高を自転車遊覧道に:祝祭日に全路線開放化。
都市と近郊の相互文化を体感するイベント化。
家族連れや観光客が東京の空を仰ぎながら自転車で走る光景は、
自転車を単なる移動手段ではなく、都市と近郊の人をつなぐ
文化の道具として再評価する象徴となる
暴論に聞こえるかもしれませんね。
しかし今のままでは多様化した事故は増える一方です。
自転車は車両、歩道は歩行者のもの。車道は自動車だけの領域ではない。
都市は命と尊厳を守る場であり、行政は根本から見直されるべきではないでしょうか。
文化と意識の刷新なくして、自転車をめぐる混乱は解消されません。
縦割り行政、曖昧な法規、熱意と正義感の無い取締り、大半が無知で無関心な市民
──そのすべてが事故を生む温床になっているのです。
まとめ:未来の交通モデル構築へ
近頃、自転車まがいのものがいろいろ普及し、我が物顔で街中を走り抜けていますね。
私たちの声が、誰かの命を守る一歩となってほしいものです。
あらゆる地域の安全、交通文化、そして人々の生活の質
──これらを自転車問題を通じて浮き彫りにし、改善していくことも大事なことです。
さらにヨーロッパのようにタンデム自転車やサイクルトレーラーなど安全に
家族が楽しめる自転車の普及と通行往来を増やしていければ楽しいですよね。
そろそろ自転車を単なる補助的交通手段という思いは変えて行きませんか。


近い将来、オランダのような自転車中心の街づくりが当たり前になってほしい。
車は量的に抑制され、皆が健康増進と環境保全、そして人生を謳歌するようになるといいですね。
こんな考えは暴論と言えるでしょうか? それとも誇大妄想狂の幻想でしょうか?
(了)
By 参禅寺 源吾