百歳人生の心得帖・第一帖

その一からその三まで   百歳人生航路  #010

今回から4回にわたり、人生百年時代を生きるための

「心得帖十箇条」、すなわち十の心得を解説します。

これは、“大いなる航海”である百歳人生の羅針盤となるものです。

「心得」と言えば何やら説教臭くも聞こえます

これまでにお話をした5S+PDCA2サイクルを円滑に回すためにも、

またこれから清く、面白く楽しく生きていくためにも,

交通標識や案内板のようなものが、時に必要となるでしょう。

それを十箇条としてまとめたものが「百歳人生心得帖」です。

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世の中には有名な「松下幸之助 革新の心得十カ条」、「近江商人 商売の心得十訓」などあります。

それと比べてこちらの十箇条は目的が異なりますが、大事な人生の心得として作ってみました。

特に初めの一歩を踏み出すこの時点ではお役に立つに違いありません。

その十箇条とは以下の通りです。

優しさとは、相手のために自分を犠牲にすることではありません。

それは、相手の尊厳を守りながら、自分の軸を保つという静かな強さです。

優しさは、時に「距離を取ること」であり、「沈黙を守ること」であり、「見送ること」でもあります。

さらにそれは、相手の成長を信じるからこそできる行為であり、依存を断ち切る勇気でもあります。

現代では、優しさが“遠慮”や“弱さ”と誤解されがちです。

本物の優しさには、相手の感情に巻き込まれず、冷静に見守る力を含んでいます。

それは、相手の痛みを理解しながらも、自分の境界線を守ることでもあります。

また「孤独を恐れない」とは、誰にも頼らず生きることではありません。

それは、誰かと繋がっていなくても、自分の価値が揺るがないという自己肯定の証です。

孤独は、人生の“静かな師”であり、誰にも邪魔されず、誰にも評価されず、ただ自分の声だけが響く時間です。

その時間にこそ、本当の自分が現れます。

孤独を味方につけることができれば、人との関係も変わります。

誰かと共にいるときも、依存ではなく共鳴を選ぶことができます。

その関係は、互いに自由でありながら、深く繋がっているものです。

あるいは、束縛ではなく、響き合う関係とも言えるでしょう。

人に優しくあるためには、まず自分に優しくなければなりません。

自分を責め続ける人は、他人にもいつのまにか無意識に厳しくなります。

自分を赦し、労わり、信じることが、他者への優しさの源泉ともなることを理解しましょう。

この心得は、百歳人生の出発点です。

優しさは力となり、孤独は静かな味方となります。

そしてこの二つの心得で、人は“自分の百歳人生”を自立して生き始めることができるのです。

自分を信じることは、簡単なようで、結構難しいことの一つです。

私たちは、過去の失敗や他人の評価に影響され、自分を疑う癖を身につけてしまいます。

しかし、百歳人生を航海するには、他人の言葉ではなく、自分の内側にある信念が重要です。

信じるとは、過去の自分を赦し、未来の自分に賭けることです。

完璧である必要はありません。

むしろ、未完成であることを受け入れながら、進み続ける力こそが「信じる」という行為の本質です。

他人の評価はその時々の風向きにすぎません。

昨日は褒められ、今日は批判される。

その風に翻弄されていては、進むべき方向を見失ってしまいます。

だからこそ、自分の中にある「方向」を見極める必要があり、それが信念です。

信じることは、孤独の中で育まれます。

誰にも頼れない状況で、自分の声だけを頼りに進むとき、信じる力が試されます。

その経験が、人生の後半において、揺るぎない軸となります。

百歳まで生きるということは、長い時間、自分と向き合うということでもあります。

その時間を、疑念で満たすのか、信念で満たすのか。

それによって、人生の方向は大きく変わります。

「頑張る」は美徳として語られることが多いですが、百歳人生においては、必ずしもそうとは限りません。

頑張りすぎると、無理を続け、心も体も疲弊し、最悪、命を削ることにもなりかねません。

だからこそ、「頑張らない」「無理しない」という姿勢が、命を守るためには必要なのです。

命は人生を創造するための土台であり、資本でもあり、あらゆる活動の源泉です。

命が弱れば、どんな夢も、どんな計画も、実現することはできません。

なによりもまずは命を守ることが、百歳人生の基本姿勢にもなるのです。

「頑張らない」とは、怠けることではありません。

それは、自分の限界を知り、必要なときに休むという知恵です。

「無理しない」とは、逃げることではありません。

自分の体と心の声に耳を傾けるという優しさです。

命を第一に考えることは、決して自己中心的なことではなく、他者との関係を健全に保つための前提でもあります。

自分が壊れてしまえば、誰かを支えることもできません。

自分の命を守ることは、他者への責任でもあるのです。

今回は十ヶ条のうち、三ヶ条を解説しました。

次回は「百歳を生き抜く心得帖 第二帖」としてその四、五、六、七までの4つの心得を解説します。

未来への百歳人生航路を豊かに過ごすための、古風ですが大事な心得帖です。

 

By 百瀬 代次郎

本記事は、2024年7月掲載のものですが、ブログの全面改装のため再編集しました。

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