百歳は未知の宇宙だ

老いの航海に乘り出そう! 百歳人生航路 #001
百歳はもはや現実の世界
「人生100年時代」と言われて久しい。
でも、実際に百歳まで生きたい人は少ないでしょう。
理由は簡単──疲れる、怖い、面倒くさい。
いやいや、そんなに生きても何もすることが無い。
それって、宇宙に行くのが面倒だから、地球に閉じこもるようなものでは?
本ブログでは、既に視野に入った「百歳の寿命」に対して拒否するのではなく、
むしろそれを目標に人生シナリオを再構成しようと言うものです。
1. 百歳は現実。なのに、なぜ希望が湧かない?
日本は世界屈指の長寿国。
2023年時点で百歳以上の人口は9万2千人を超え、毎年増加中。
「百歳まで生きたいですか?」という問いに、YESと答えた人はわずか21.2%(アクサ生命調査:下図参照)。
60代以上でも、人生100年時代をポジティブに捉える人は半数以下が実態です。

さらにその人生100年時代をポジティブに捉えている比率は全体で50.7%ですが、60歳以上では48.7%になっています。

その理由は明快です。
健康不安、経済的困窮、社会的孤立、さらには「生きる意味の喪失」。
つまり、長寿は“祝福”ではなく“延命”になってしまっている。
これは、人生が「余命消化型」になっている証拠です。
2. それでも百歳まで生きてみたい
なぜか?
それは、百歳まで生きることが「宇宙を旅するような体験」だからです。
1世紀分の歴史を生きるということは、昭和・平成・令和を超えて、次の時代までを見届けられるかもということ。
それは単なる長生きではなく、さまざまな時代を航海する知的冒険と言えるでしょう。
ただし条件はいろいろ付いてきます。
- 健康であること
- 頭が冴えていること
- さらに、自分の人生を自分で設計できること
当たり前の話ですが、体が達者で、心も脳もボケていないこと。
またその歳で、組織や他人様に命令や束縛されず、ある程度自由に人生を決められることです。
3. 人生設計と活動の道具が必要
百歳人生は、偶然の延長ではなく、設計と改善の連続。
そこで登場するのが、産業界で鍛えられたフレームワーク
──それがPDCAと5S。
・PDCAとは?
- Plan(企画・計画)
- Do(実行・行動)
- Check(確認・評価・検証)
- Act(見直し・改善・反省)
これは品質管理の基本サイクルですが、実は人生にも応用できる技なのです。
朝起きて「今日は何するんだっけ?」と考えるのは、すでに《Check=確認》の始まり。
そこから《Plan=計画》を立て、《Do=実行》に移り、夜には《Act=振り返り》で「明日良くなあれ」
── これを意識的に使えば、人生はもっと滑らかに動き出します。
つまり日々の営みがこのPDCAで上手にマネジメントできると言っても過言ではありません。
それでは、5Sとは何でしょうか?
- 整理:不要なものを捨てる
- 整頓:必要なものを使いやすく配置する
- 清潔:心と環境を清らかに保つ
- 習慣:良い行動をルーティン化する
- 進取:新しいことに挑戦する
これらを人生に取り入れることで、老いは衰えではなく、成熟のプロセスになるのです。
4. 世相の風を読む─「老害怪獣」にならないために
近年、コンビニや病院で怒鳴る高齢者のニュースが増えています。
「老害」という言葉も定着しつつありますが、これは単なる性格の問題ではありません。
未来に向けたPDCAなき老後の暴走と言えるでしょう。
自分の人生を真摯に振り返ることなく、また人生の計画、設計をしないまま、社会の変化に翻弄され、孤立し、他責の怒りをぶつける
── それは、宇宙船の操縦を放棄して、
無謀な航海をしているようなものとも言えないでしょうか。
だからこそ、私たち自身で百歳人生の航海図が必要なのです。
5. このブログ記事の目的:百歳人生航路を描く
この連載では、以下のようなテーマを扱っていく予定です:
- 人生の整理と再構築(5S)
- 日々の思考と行動の設計(PDCA)
- 自分の資源を見つける(ヒト・モノ・カネ・時間・知識)
- 孤独と優しさの哲学
- 感性と季節の再起動
- 百歳を生きる意味
付録ブログ「世相妄談臆解」の1コーナーとして、知性?と実用性を兼ね備えた“人生航海図”を描くためのテーマです。
💡 今日のヒント:「百歳まで生きたいですか?」
・NOなら、なぜなのか、いろいろ書き出してみよう
・YESなら、どんな人生を設計したいか妄想してみよう
どちらでも、「百歳人生は宇宙旅行」という未来型視界を持つだけで、人生の景色が変わりますよ。
🔭“百歳人生航路”次回予告:第2回 「人生設計に5S航法を」
断捨離だけじゃない。
人生の“整理”は、心と過去の棚卸しから始まる。
あなたの“人生の棚卸し表”を作ってみませんか?
了
By 百瀬 代次郎
※本ブログ記事は、2024年2月26日に掲載した記事ですが、今回ブログ全面改装で内容・表現など再編集したものとなっています。