人生航路設計に5Sを

まずは整理から始めよう 百歳人生航路 #002
「断捨離」って言葉、もう聞き飽きました?
でも、人生の“整理”は、単なる片づけじゃありません。
それは、過去の棚卸しであり、未来への準備運動。
百歳まで生きるためには、まずは人生の在庫表”を作ることから始めましょう!
目 次
はじめに:片づけブームの裏にある“人生の迷子”
近年、「片づけ」「断捨離」「ミニマリズム」が流行しています。
テレビでは収納術の特番、YouTubeでは捨て活、書店には「人生を変える整理術」関連本が棚を埋め尽くしています。
でも、なぜこんなに“片づけ”がもてはやされるのでしょうか?
答は簡単! それは、人生が散らかっているからです。
モノが多いのではなく、片づける意味が見えないのです。
過去の記憶、未完の夢、使い道のない資格、惰性で続けている習慣
── それらが“人生の押し入れ”に詰め込まれ、呼吸を妨げているのではないでしょうか。
1. 5S航法の第一弾 ─「整理」は人生の棚卸し
産業界では「5S」と言えば、現場改善の基本中の基本ルール。
- 整理
- 整頓
- 清潔
- 習慣
- 進取

このうち「整理」は、必要なものと不要なものを区分し、不要・不急なものを取り除くことです。
でも、人生に応用するなら、もっと深い意味が秘められているのです。
それは、過去の棚卸しと未来の選別です。
まずは紙とペンを用意して、次のような項目を書き出してみてください:
- 今抱えている問題・課題・悩み
- 過去から引きずっている未解決事項
- やり残したこと、後悔していること
- これからやってみたいこと、興味があること
- 収集してきたモノ・知識・人間関係
これらを「現在」「過去」「未来」に分けて並べてみましょう。
そして、それぞれに「必要」「不要」「保留」のラベルを貼る。
この作業は、単なるTo Doリストではありません。
それは、人生の棚卸し表であり、航海図の下書きになるのです。
2. 整理の本質は「取捨選択」ではない
「捨てる」ことが目的ではありません。
むしろ「残す理由」を問い直すことが整理の本質と言えるでしょう。
たとえば──
- 使っていない資格:それは“過去の努力”か、“未来の可能性”か?
- 疎遠な人間関係:それは“義理”か、“未練”か?
- 趣味の収集品:それは“癒し”か、“執着”か?
このように、モノや記憶に意味を問い直すことで、
人生の構造と意味がおぼろげながらも見えてきます。
「残す価値があるか否か」もそこから導き出されるかもしれません。
a) 心の整理‥感情の棚卸しも忘れずに
人生の整理は、物理的な片づけだけではありません。
むしろ重要なのは、感情の整理でしょう。
- 感謝、喜び、誇り──それらは誰と共有できるのか?
- 怒り、後悔、嫉妬、焦り──それらはどこから来て、今、どんな意味があるのか?
日記を書く、独り言をつぶやく、誰かに話す
── どんな方法でも構いません。
感情を言語化することで、心の棚卸しが始まります。
b) 整理は“出航準備”
百歳人生は、長距離航海です。
その出航前には、積み荷の確認が必要となります。
- 何を積むか?
- 何を降ろすか?
- 何を保留するのか?
この判断は、自分の価値観と目的地によって変わるはずです。
だからこそ、整理は「捨てる技術」ではなく、「選び直す知恵」なのです。
c) 整理の副産物 ─ 空間と時間の再発見
整理をすると、空間が生まれます。
でもそれ以上に、時間が生まれることにお気づきでしょうか?
- 使っていないモノを捨てると、探し物の時間が減る
- 無駄な予定を削ると、自由時間が増える
- 過去のしがらみを手放すと、未来への意欲が湧く
整理とは、人生の余白を取り戻す作業でもあるのです。
d) 整理は“思考の筋トレ”だ
整理をすることで、確実に思考が鍛えられます。
なぜなら、整理とは「問いを立てる」ことだからです。
- これは本当に必要か?
- これは今の自分に合っているか?
- これは未来の自分を支えてくれるか?
この問いを繰り返すことで、判断力・直感力・構造力が育ちます。
年齢に関係ありません。
つまり、整理は“思考の筋トレ”なのです。
💡 今日のヒント:「あなたの人生の在庫表、作ってみませんか?」
まず白紙の紙を用意しましょう。A3版がお奨めです。
用意が出来たら、以下の➀・②・③の手順に従って進めましょう。
➀ 整理したいモノや周りに溢れているモノを紙に書き出すだけで、頭と心が軽くなる
②それぞれのモノを「必要」「不要」「保留」の三分類で種分けし、意味を問い直す
③ 「不要」なモノから捨てる段取りをつけて、徐々に減らしていく
④ 「必要」なモノの残す理由を再確認することも、整理の醍醐味
⑤ 「保留」品も再度、上記②の手順で種分けしていく
🔭“百歳人生航路”次回予告:第3回 「整頓で人生を並べ替える」
整理したら、次は整頓領域へ。
人生の“使いやすさ”は、配置と順序で決まる。
これこそが『段取り八分の美学』
あなたの“未来の棚”を、一緒に整えてみませんか?
了
By 百瀬 代次郎
※本ブログ記事は、2024年2月26日に掲載した記事ですが、今回のブログ全面改装で内容・表現など再編集したものとなっています。