進取とは挑戦力

年齢を超えた好奇心の衝動 百歳人生航路 #006
「挑戦」と聞いて、皆さんは何を思い浮かべますか?
起業?エベレスト登山?国家資格取得?
──ふむふむ、どれも立派です。
でも百歳人生に必要なのは、日常の中の進取力。
それは、年齢を超えた好奇心が突き動かすパワーなのです。
今回は、百歳人生5S航法(整理・整頓・清潔・習慣・進取)のトリを飾る“進取”を解説します。
目 次
1. 世相の風:挑戦は若者の特権か?
「もう歳だから」、「今さら無理」、「若い人に任せるよ」
── この言葉、何度聞いたことでしょう。
挑戦は若者のもの、という“思い込み”が社会に根強くあります。
でも、実際はどうでしょう?
- 70代で絵を描き始めた人
- 80代でブログを開設した人
- 90代で英語を学び始めた人
- 100歳でYouTubeに出演した人
彼らは、挑戦を“年齢の外側”に置いています。
つまり、挑戦とは「若さの証」ではなく、「生きる意志の表現方法」に他なりません。
ならば、何かに挑戦し、始めようではありませんか!
2. 5S航法の第五弾──進取とは「挑戦力の衝動的再起動」
産業界での「進取」は、改善・革新・提案の力でした。
そもそも「進取」とは、時代が変化する中で新しい試みに積極的に取り組む姿勢であり、
そこに「挑戦」が秘められています。
その源は、好奇心と行動力の核融合でしょうか。
- 新しいことに興味を持つ
- やったことのないことに手を出す
- 失敗を恐れず、前に進む
- 小さな一歩を積み重ねる
これらが「進取」の具現化された形であり、その力は、年齢とともに衰えるものではなく、育て直すものになります。
3. 進取の第一ステップ ─「好奇心を再起動させる」
好奇心は、挑戦のためのエンジンです。
でも、年齢とともにこのエンジンが錆びつき、オイルも枯れていくことがあります。
- 新しい情報に触れなくなる
- 同じ人としか話さなくなる
- 同じ場所しか行かなくなる
- 同じことしか考えなくなる
これでは、折角の好奇心は眠ってしまいます。
だからこそ、このエンジンを整備する必要があります。
好奇心を再起動させる方法:
- 毎日1つは、知らない言葉を調べて使ってみる
- 月に1回は、行ったことのない場所へ行って記録する
- 年に1回は、趣味の枠を広げるか、新しい趣味を試す
- 誰かに「最近面白かったこと」を聞いてみる
これらは、好奇心の筋トレであり、これを続ければ、挑戦力は自然と湧いてくるものです。
4. 進取の第二ステップ──「小さな挑戦を積み重ねる」
挑戦というと、誰しもが大きな目標を思い浮かべがちですが、
百歳人生に必要なのは、小さな挑戦の積み重ねです。
- 新しい料理を作ってみる
- 苦手な人に挨拶してみる
- 使ったことのないアプリを試してみる
- 1日5分から、ストレッチを始めてみる
これらは、意識すれば誰でもできる挑戦であり、その“量”が増えると、挑戦の“質”も自ずと高まります。
5. 進取の第三ステップ ─ 「失敗は”失敗“ではない」
挑戦には、必ず失敗がついてきます。
でも、失敗をどう考え、扱うかで、進取力は決まります。
- 失敗を恥と捉えるか、学びと捉えるか
- 失敗を隠すか、語るか
- 失敗にめげるか、次に活かすか
「失敗」と言っても、それによる損害、被害などでその程度に差は出ます。
ここでは、事件や大きな事故を招いた失敗を除いた、誰もが経験したことのあるものとしておきましょう。
進取力のある人は、その失敗を“試行錯誤(Try & Error)”と置き換えます。
必ず成功や達成のワンステップと捉え、その失敗に懲りず、めげずに違うアプローチを編み出していきます。
ある人はその失敗を“素材”に変え、それを使って、さらに次の挑戦を計画、実施するのです。
失敗自体が変幻自在であるように、進取そのものも“精神の柔軟剤”なのかもしれません。
だからこそ、
- 固定観念をほぐす
- 自分の限界を疑う
- 他人の意見を受け入れる
- 新しい価値観に触れる
このような柔らかい心の動きは、確実に新しい機会をもたらしてくれます。
6. 進取の第四ステップ──「挑戦を共有し、伝える」
挑戦は、決して孤独な作業ではありません。
むしろ、誰かと共有することで、広がりと深みが生まれます。
- 家族や周囲に話す
- 友人に勧める
- SNSで発信する
- 地域の活動に参加する
共有された挑戦は、他者の勇気にもなり、それを見て、自分の挑戦力がさらにアップしていきます。
また内容によっては、「智恵や文化の伝承」として、その挑戦の意義や技を後世に伝えることもできます。
そのためには時として挑戦の記録を“証し”として残すことは大事です。
💡 今日のヒント:「あなたの進取力、眠っていませんか?」
- 最近、初めてのことをしましたか?
- 失敗を語れる相手はいますか?
- 好奇心を刺激する習慣、ありますか?
- 挑戦を記録していますか?
- 誰かと挑戦を共有していますか?
この問いを立てるだけで、進取力は目を覚まします。
目覚めたその進取力は、百歳人生航路を進む推進力になるのです。
🔭 百歳人生航路予告:第7回「もう貯めるな、残すな」
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百歳人生に必要なのは、軽やかさと潔さ。
次回は、人生の“断捨離”を哲学的?に掘り下げます。
了
By 百瀬 代次郎
※本記事は、2024年に執筆したものを、ブログ全面改装のため、再編集したものです。